なぜ「商品を売るな」なのか?|初心者が知るべきブランディングの本質

ビジネス

「一生懸命アピールしているのに、なかなか商品が売れない…」 「もっとセールス力をつけないといけないのかな…」

もしそう感じているなら、実は逆効果かもしれません。

大切なのは“売ること”ではなく、売れる状態をつくることです。この記事では、マーケティングの世界で有名な「売らない方が売れる」という考え方をわかりやすく解説し、今日から実践できるブランディングの基本をお伝えします。

よくある間違い:売り込みすぎる

商品やサービスを売ろうとすると、つい力が入ってしまいます。

  • SNSでひたすら宣伝
  • 値引きやキャンペーンを連発
  • DMで「買いませんか?」と営業

これ、あなたがされる立場ならどう感じますか?多くの場合、**「押し売りっぽい」「なんか必死」**と引かれてしまいます。

ここで大事なのが、**「売る」ではなく「欲しいと思わせる」**という発想です。

ブランディングは「売る前の準備」

結論から言うと、ブランディングとは、ただ商品を売るスキルではありません。**「相手から買いたいと仕向けるスキル」**です。

想像してみてください。

スターバックスが、毎日「コーヒー買って!」と広告を流していたら? Appleが、毎回の発表会で「このiPhone、買わないと損ですよ!」と叫んでいたら?

違和感がありますよね。彼らは売り込みません。**「世界観」「体験」「ストーリー」**を伝えているだけ。その結果、ファンが自ら買いたくなるのです。

4つのブランディングを理解しよう

ブランディングは、主に以下の4つに分けられます。

1. コーポレートブランディング(会社のブランディング)

会社のロゴやホームページなど、会社全体でつくるブランディングです。

ここで重要なのは、**「競合を把握するが、競合を作らない」**こと。例えば、Googleは「広告会社だけど広告会社ではない」と定義することで、独自のブランドを確立しています。

2. プロダクトブランディング(商品のブランディング)

商品の価格やデザイン、パッケージなど、商品そのものにつくるブランディングです。

例として、「渋谷の料亭で提供される牛丼」を考えてみましょう。一般的なお店では、お皿に盛られた牛丼が出されますが、料亭では目の前で調理されます。こうして「料理を提供するまでのストーリー」という付加価値をつけることで、相場以上の価格でも「体験」として受け入れてもらえるのです。

3. マーケティングブランディング(どう広めるか)

チャネル、ターゲット、メディア、口コミなど、商品をどう広めるかというブランディングです。

スターバックスとマクドナルドのコーヒーを例に考えてみましょう。マクドナルドは「回転率とスピード」で勝負しますが、スターバックスは「ゆったりと過ごせる空間」という価値を提供し、独自のブランドを築いています。

4. セールスブランディング(どう売るか)

販売方法や顧客選定など、どう商品を売るかというブランディングです。

  • YAMAHAのピアノ教室: 「ピアノを買ってもらう」という目的のために「ピアノ教室」というサービスを提供します。
  • 美容院の集客: 髪を切ること自体ではなく、「アロマの香り」といった付加価値で他店と差別化します。

どれも商品を直接売るのではなく、付加価値をメインにして、そのついでに商品を売る戦略をとっています。

【問題】あなたのカフェラテ、いくらで売りますか?

ここからは、価格設定について考えてみましょう。あなたはカフェラテを販売しようとしています。

  • 事実1: 100人中100人が買う価格は500円
  • 事実2: 1500円では誰も買わない
  • 事実3: 1杯あたりのコストは300円

この場合、一番利益が出る価格はいくらでしょうか?


カフェラテ価格設定の損益グラフ

利益計算

価格(円)顧客数(人)売上(円)コスト(円)利益(円)
50010050,00030,00020,000
7507556,25022,50033,750
1,0005050,00015,00035,000
1,2502531,2507,50023,750

解説

  • 売上: 価格が高くなるほど顧客数は減りますが、売上は750円でピークを迎えます。
  • 利益: 利益が最大になるのは1,000円に設定した場合です。売上は500円や750円の時よりも低いですが、コストも大幅に削減されるため、結果的に最も多くの利益を得られます。

このグラフから、単純に売上だけを追うのではなく、利益を最大化する価格設定が重要であることがわかります。

たとえあなたのカフェラテが1,000円で、世間の相場が500円でも、**「付加価値」**をつけることで、その価格は正当化されます。

今日からできるブランディング行動

難しいことはありません。まずは次の3つから始めましょう。

プロフィールを整える: 誰に何を届けたい人なのか、ひと目で伝わるようにする。 ✅ 世界観が伝わる発信をする: 「どんな価値観を大事にしているか」「どんな人に喜んでもらいたいか」を発信。 ✅ 体験をストーリーにする: 失敗談や学び、裏側などをシェアすると共感されやすく、ファンが増える。

まとめ

「売らない方が売れる」というのは、決して精神論ではありません。ブランディングによって、**「欲しい人だけが集まる仕組み」**をつくることです。

今日からできる一歩は、あなたの価値観を伝える投稿を一つすること。この一歩だけでも、あなたの商品は「売り込みなしで売れる状態」に近づきます。

さあ、今日からブランディングを始めて、「選ばれるあなた」になりましょう。

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